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石川 真
PNC TN9410 93-131, 139 Pages, 1993/05
大型高速炉の核設計手法を高度化することを目的として,炉定数調整法をH3年度にプラント工学室が設計した60万kWe級炉心に全面的に適用し,従来のE/Cバイアス補正法と比較検討することによりその特徴および性能を評価した。以下に,本研究から得られた主な知見をまとめる。(1)JUPITER臨界実験などの情報を実機核設計に反映する方法として,積分実験情報を用いず基本炉定数のみで設計する場合,バイアス補正法を適用する場合,炉定数調整法を適用する場合の3種について,各々の設計精度評価式を理論面から検討した。その結果,炉定数調整法は,利用できる積分実験情報の量,臨界実験で測定できない燃焼核特性への適用,設計体系への柔軟性などほぼ全ての点からバイアス補正法よりも設計手法として有効であることが判明した。(2)H3年度の60万kWe級炉心について,上記の3手法による設計ノミナル値を評価し分析した。H3年度設計はバイアス補正法を用いて行ったが,今回の炉定数調整法と比較して一部の核特性値にはやや違いがみられるものの,炉心性能や安全基準確保の観点から全体的に妥当なものであったといえる。(3)同炉心について,上記の3手法による核設計精度を評価し比較した。下表に1ベースでの予測精度評価結果を示すが,これまでに整備してきた炉定数調整法のシステムおよびデータは,大型高速炉の核設計に対する充分な適用性を備えており,従来のバイアス補正法と比較して核特性の予測精度をいっそう向上できる性能を有すると判断できる。(対象核特性)臨界実験の情報なしバイアス補正法炉定数調整法実効増倍率2.06%0.70%0.43%増殖比5.9%2.3%1.5%出力分布1.72.8%1.92.5%1.32.2%制御棒価値4.14.9%4.04.6%2.83.1%Naボイド反応度9.7%10.3%7.1%
植木 太郎
no journal, ,
統計数理的手法の開発において、当該手法の限界性能評価は、信頼性確保のために重要である。そこで、世界の実効増倍率問題として知られるモンテカルロ法臨界計算に関して、その特質を極度に抽出した例題を作成し、既存手法による実効増倍率タリーの統計誤差評価とバイアス補正の妥当性評価を実施した。